ニキビ治療の話――ディフェリンゲルとベピオゲルの効果

健康・美容

ニキビは、中学生の頃からの悩みだった。

人生のかなり長い時間、私は自分の肌に自信を持てずに過ごしてきた。今回は、そんな私がどのようにニキビと付き合い、治療によって改善するまでに至ったのかを書いてみようと思う。

同じようにニキビで悩んでいる人に、少しでも届けばうれしい。

中学生の頃から続いたコンプレックス

ニキビができ始めたのは、中学生の頃だった。

顔だけではなく、胸や背中にもできていた。あまり思い出したくはないけれど、正直、かなりひどい状態だったと思う。

高校生、大学生と年齢を重ねるにつれて、ニキビそのものは多少落ち着いていった。しかし、ニキビ跡は残り、毛穴は開いたまま。もともと脂性肌でもあり、自分の肌をきれいだと思えたことは、ほとんどなかった。

「自分の肌は、きっと汚いと思われているんだろうな」

そんなふうに考えてしまい、他人から顔をじっと見られるのが苦手だった。顔の肌は、長い間、自分にとって大きなコンプレックスだった。

結局、ニキビのできやすさには個人差がある

ニキビを何とかしたくて、これまでにいろいろな洗顔料を試してきた。洗顔方法を変えたり、食事に気をつけたりもした。それでも、思うようには改善しなかった。

医師として働いていると、病気になりやすい人となりにくい人がいることを日々実感する。同じような環境で暮らしていても、健康状態にはどうしても差が出る。ニキビも、それと同じなのだろう。

結局のところ、ニキビのできやすさには、もともとの肌質や体質が大きく関係していると思う。もちろん、生活習慣やスキンケアも無関係ではない。ただ、それだけでは説明できないほどの個人差があると思う。

働き始めてから、突然悪化した

働き始めてからも、ニキビは時々できていた。それでも、年齢とともに少しずつ落ち着いてきているように感じていた。

ところが、何年もたったある時期、突然、異常なほどニキビができるようになった。

最初は、仕事のストレスが原因なのかと思った。しかし、その時期だけ特別に仕事が忙しくなったわけでも、強いストレスを感じるような出来事があったわけでもない。それでも、まるで体の中で何かのスイッチが入ったかのように、次々とニキビができ始めた。

もともとの体質に加えて、加齢やストレス、生活環境など、さまざまな要因が重なることで、それまでにはなかった体調の変化や病気が現れることがある。日々診療をしていても、そうした変化を目の当たりにすることは少なくない。私のニキビも、何らかの変化が重なって急激に悪化したのだろう。

その頃のニキビは顔中に広がり、赤く腫れたものや、膿を持ったものが中心だった。数が多いだけではなく、一つひとつの状態もかなりひどかった。中学生の頃よりも悪かったと思う。

しかも、中学生の頃とは違い、年齢を重ねた肌は回復にも時間がかかった。一つのニキビがなかなか治らない。ようやく治ったと思っても、赤みや色素沈着がいつまでも残る。そして、それが薄くなる頃には、また別の場所に新しいニキビができている。ひどいものは、大きな跡として残った。

再びいろいろな洗顔料を試し、インターネットなどで紹介されている一般的な対策も、一通り試してみた。しかしまったく改善せず、ひどい状態のまま、半年以上が過ぎていった。

「ニキビで皮膚科に行く」という発想がなかった

中学生の頃から、ずっとニキビに悩んできたにもかかわらず、私はニキビを理由に皮膚科を受診したことが一度もなかった。

医師になってからも同じだった。そもそも自分の中に、「ニキビで病院に行く」という発想がなかったのである。

ニキビは思春期によくあるもので、時間がたてば自然に治るもの。病院に行ったところで、それほど良い治療法はないのだろう。勝手にそう思い込んでいた。

しかし、働き始めてから悪化したニキビは、半年以上たっても良くなる兆しがなかった。さすがにこれは、きちんと治療を受けなければまずい。そう思って調べてみると、ニキビの治療に使われる塗り薬が、保険診療で処方されていることを知った。

ディフェリンゲルと、ベピオゲルである。

自分の専門分野ではなかったため、私はその存在をまったく知らなかった。医師であっても、世にある薬をすべて把握することは難しい。新しい薬剤は次々と認可されるため、長く医師として働いていても、専門外の薬について初めて名前を聞くことは珍しくない。

ディフェリンゲルとベピオゲルを使い始めた

皮膚科で相談し、ディフェリンゲルとベピオゲルによる治療を始めた。

これほど頑固なニキビに、塗り薬だけで本当に効くのだろうか。正直なところ、最初は半信半疑だった。

使い始めには、ヒリヒリとした刺激感や赤みが出ることがあると聞いていた。実際、私にもそうした症状はあった。

ただ、そんなことは気にならないほど、ニキビに対する大きな効果を実感した。使い始めて数週間たつと、新しいニキビがほとんどできなくなった。それまでは毎日のように新しいニキビが現れていたのに、ぴたりと落ち着いたのである。

多少ニキビができたとしても、以前より格段に治るのが早くなった。化膿しにくくなり、腫れも引きやすくなっているように感じた。顔中に次々と現れていた赤く腫れたニキビは少しずつ落ち着き、数か月後には、ほぼニキビが沈静化した。

私にとっては、とてつもなく効果のある治療だった。「こんなに良い薬があったのか」と、心の底から驚いた。

これらの薬は、私が中学生だった頃には、日本ではまだ一般的に使える治療ではなかった。もし、もっと若い頃からこのような治療を受けられていたら、今の自分の肌は、もう少しきれいだったのかもしれない。

ニキビ自体が改善したことは、もちろんうれしかった。その一方で、鏡でニキビ跡を見ると、もっと早く治療できていれば、という思いがこみ上げた。

ニキビは、きちんとした治療の対象である

中学生の頃、あれだけひどいニキビができていたのに、親から皮膚科に行くよう言われた記憶がない。当時は、ニキビは年齢とともに自然に改善するのを待つもの、という感覚が世の中全体にあったのかもしれない。(もっとも、単に私の家庭にそういう発想がなかっただけかもしれないけれど。)

今の若い人たちは、ニキビができたら早めに皮膚科を受診するのだろうか。もしそうであるなら、それはとても良いことだと思う。

そして今も、「ニキビくらいで病院に行く必要はない」と考えている人がいるなら、その認識は改めたほうがよいと思う。かなりひどいニキビであっても、現在はきちんとした治療法がある。

もちろん、薬の効果や副作用には個人差があり、すべての人に同じ治療が合うわけではない。それでも、市販の洗顔料や自己流のスキンケアだけで悩み続ける前に、一度専門家に相談する価値は十分にある。

ニキビは、炎症が続けば跡が残ることがある。そして、跡が残ってしまってからの治療は、ニキビそのものを治療するよりも、はるかに時間も費用もかかる。だからこそ、できるだけ早い段階で皮膚科を受診してほしい。これは、長い間治療を受けずに遠回りをしてしまった自分だからこそ、強く伝えたいことである。

悩みはまだ続いている

以前のようにひどいニキビが顔中にできることは、ほとんどなくなった。とはいえ、今も悩み続けているのが、ニキビ跡である。

現在は肌質の改善も兼ねて、美容クリニックに通い、レーザー治療などを受けている。ニキビ跡の治療についても、自分自身で実際に受けてみたことで、以前とはかなり認識が変わった。その話については、また改めて書いてみようと思う。

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